釣り師は好色か!
巷間言われることに「釣り師は好色である」 と言うのがある。
世間様に私は好色で御座いますなどと、あからさまに言い募るのは、浪士様のように慎み深いお方にとって耐え難いことである。 色のことなど、そこはかとなくほのめかすのが王道であって、品位の無い振る舞いは、これは下衆と呼ばれる範疇に入ってまいります。
「 お前さん好色かい?」と言われれば はい とも いいえとも答え様が無いのですが、これはどうも比べるに比べようが無いからなのでしょうか?
見るからに好色そうな人でも、実はそうでなかったりしますので外見ではありません。 「俺は好色だ」と言う人も案外だらしが無かったりしますので、言葉尻でも信用は出来ないのです。
釣りは見えない海底の魚と駆け引きをやってまいります。見えないのですから、想像をたくましくするのです。
これは今一度工夫するほうがよりよい効果があるな!
これよりこれがいいな!
これは食いつきが良かった!
いままだ警戒しとるな!
魚が釣れぬときなど
海底の構造が悪い、位置が悪いか! 良し網でも巻くか! などこれは致しませんが、釣り師のこと、考えついてもおかしくはありません。
魚を釣るということに関しては、あれこれ常人が考えの及ばぬことまで考え試して見ます。執着したときの粘着力は瞬間強力接着剤より強く、粘っこいのです。
さて、この釣り師が釣りをやめ、色のことなどに執着しますと、それはそれはあなた、・・・・・
言っておきますが、あくまで腕のよろしい釣り師の事で御座います。決して普通の釣りをなさる方の事ではありません。