釣り師のお守り
え~秋も半ばで御座いまして、気候のほうも随分とよろしくなってまいりました。本日も毎度ばかばかしいことで皆さんのご機嫌を伺ってまいります。
世の中に釣り師といいますものが何処にも居りまして、これが大層嘘を付いてまいります。どれぐらいの嘘かと申しますに、1尺ばかりの魚を釣り上げると大概両手を2尺ばかりに広げて自慢します。詐欺といいますものはこの辺の小さなことから始まりまして、大きく育つもので御座います。
警察が詐欺犯を捕まえたら全員釣り師だったてえことになって参ります。
釣り師なんてえものは、大概が無法者でうそつきで、粗忽者で御座いまして、釣り以外のことではあまり努力などいたしません。ところが釣り・・と成りますと
それはあなた、魚を釣るためには歯串を向いて何でもやってまいります。
犯罪以外は何でも有りの垣根なし、押さえの利かぬ突っ走りようで御座います。
上品な人は品良く、上手な人はそれなりに、へたくそはもがいて精進するのです。
へたくその上に粗忽者となってまいりますと、何が出てくるか分かりません、事によっては押さえの利かぬとんでもないこととなってまいります。先ごろもなにやら曰くありげなものを持ち込んだ、へたくそな輩がありまして・・・・。
それは何かと申しますと、ご婦人の え~生娘様の両の足、付け根あたりに生息しております 毛 で御座います。やるに事欠いてなんとつつしみの無い事でございましょうか。
ばかばかしいにも程がある、お守りですが、それでは見守ってやりますか。
へたくそ 「数々の神仏にお願いしたが釣り専門の神様は どうやらおられぬよう
じゃ。神仏に勝るお守りじゃ。今日は・・つ れ る」
案の定
へたくそ 「あの娘、彼氏がいるに違いない。釣れん・・」
浪士様 「婆さんの布団から拾い上げたんだろう、小娘に騙されたな」
へたくそ 「いえ、確かに・・・・・・です」
浪士様 「お前さん使い方が違う。味噌汁の出しにしな。体の中に取り込まんと
効き目はあるもんか」
へたくそ 「ああ・・それか・・よし」
浪士様 「・・・・・・・・・・・」
誰だこんな馬鹿馬鹿しいことを吹き込んだ奴は。
余りに馬鹿馬鹿しいので「死んじまえ!」とも思ったのですが、可哀そうですし、実名をさらしてやろうかと・・・それもねえ・・・・・・なあ建具屋」