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備後「あこう浪士」  釣り場の周辺

  釣り場は釣り師の巻き起こす喜怒哀楽に満ち満ちて・・・  さて 事件は釣り場の周辺で起こってまいります!

教えてやるから、魚捌いてくれ!

 

 

 差し上げた魚を喜ばれる事は、これは嬉しい事です。

最近では魚を捌かれる方が少なく、浪士様は釣った魚を釣り場で、丁寧に下処理をして差し上げます。

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 先日も腰をかがめて下処理をしております。若い衆が声をかけてまいりまして、かなり細かい釣りに関する質問を投げかけます。 やれ腰痛や! どれどれ。

 

 若い衆の言うに、竿先に出る当たり(魚が食いついて糸を伝わり、竿先を揺らす事)の取り方についてでした。我々の釣りは「浮き」を使用しませんで、0.3ミリの細い竿先の動きで当たりを取ってまいります。つまり食いついたかどうか、4~5ミリ揺れる穂先を注視している次第です。 

 

 大方の釣りをされる方が最初にはまり込む罠、それは自分の都合で釣りをするということで御座います。どういう事かと申しますと、それは小さな当たりで0.3ミリを揺らしますから、それがよく注意していないと分からない。はっきり分かろうとして餌と穂先を糸を張った状態にいたします。間違いでは御座いませんが間違いなのです。

 

 わずかな事ですが魚にとって餌を口に咥えた時の違和感、これを感じますと途端に離してまいります。出来るだけ緊張状態を緩めてやる必要が出てまいります。ゆるめると今度は当たりが取り辛くなります。ほんのわずかな揺れがより小さくなりますから、釣る側からしたら分かりづらくなることです。

 

 人間にとって都合よくすれば魚には不都合、都合悪くすれば釣れると、かなり悩ましい事になってまいります。

 

 件の青年、日頃は真面目に釣っております。研究も怠りなくかなり前向きなのである。取り分け良いところは自分の頭で考えて、実践してみるところで、細かいところを積み重ねて参っております。質問も具体的に腕の寸法にかなった問いですから、こちらとしても答えやすい。何しろ最初から時系列で把握いたしておりますので、進歩の度合いがよく分かります。それは事細かに説明する事でした。 やれ腰痛や! 魚を捌くのは不自由な姿勢では重労働だ。

 

 

 中には大層ものぐさな人もおりまして、すべてゆだねてまいります。こういう人は権威や大きな名前の人に寄生虫のようにくっついて、すっかり傘に入っております。トラの威を借りる狐、かなりうっとうしい存在です。このような輩に気を許すと、なにもかも面倒見をさせられた上、釣れなかったらこちらのせいにされますから、距離は十分間合いを取ることでした。

 

このような人は大概がへたくそなもので御座いまして、魚が釣れない、他人様から分けていただく体たらくとなってまいりまして、釣り師の階級はかなり低いのです。

その上貰ったにも拘らず、自分で釣った事にするのは目に見えておりますので、それぐらいの人格だろうと、しっかり値踏みはされております。

 

 浪士様、よく質問は受けます。色々有りますがその人の腕以上の質問は、これは有りません。質問でその人の腕はすっかり丸裸と言う事になります。

質問には知っている事は全部答えますが、それ以上の事は説明いたしません。説明しても分からないからです。

 

 釣り場といいますものはかなり他人様に手を取られるものでして、今度からは質問に答えたら、魚の少々捌いてもらいますか。 腰が・・・