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備後「あこう浪士」  釣り場の周辺

  釣り場は釣り師の巻き起こす喜怒哀楽に満ち満ちて・・・  さて 事件は釣り場の周辺で起こってまいります!

一本釣りの漁師となりたいところで御座いますが・・

 

 

 朝晩がすごしやすくなりますと否が応でも「豊穣の季節」を意識するところでございまして、どちら様も夏の賑わいなど取り捨てて、秋のたくらみに思いをはすところで御座います。

 

 浪士様に置かれましては、早、秋の目論見など遠の昔に済まされて、段取りも半ばと気の早いところで御座います。

 

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 海の上にしか季節の展開が考えられぬ釣り師にとりまして、海はまだ真夏で御座います。海の中と申しますのは地上の気候がおよそ一月遅く反映されるものでありまして、今はまだ夏は盛りということで御座います。

 

  早々とでは有りますが、夏の状況から秋の展開を推測いたしまして、作戦を立てると言う事になりますが、これは釣り師の都合のいい手前勝手な思惑で御座います。

大概は予期せぬ展開となって、修行半ばの釣り師に更なる苦行を強いるので御座います。

 

 浪士様は何故修行苦行をなさるのかと言いますと、それは将来立派な一本釣りの漁師におなり遊ばすためであります。

漁協の理事をやっている飛島の典さんには

「ありゃあのう 住民票を移してのう 月一回は漁協に水揚げすりゃぁ事ぁお終い」

と 随分前から漁協の組合員に成る言質は取って、手はずは整っておりますので、後はこちらの都合というわけなのです。

まあなかなかに都合をつけるといいましても、今のしがらみのけりはつけねば成りませんから、相当な垢落としということになって思うようには行きません。

 

 「おいよのう 漁師が泣きょうるで! 獲れんゆうてな」

釣り場の船頭がこういいます。その結果漁師を辞める人が出てきそうな気配だともいいます。

飛島の典さんあたりも、「スーパーの魚はだんだん高こうなりょうるのに、わしらの値段は安うなりょうる。そのうえ獲れんときとる」とこう言うのだ。

 

 「漁協でもあれこれ養殖だ海苔だと手を出してはいるが、肝心の海が魚を産んでくれん事にゃぁどがんもならん」

 「こないだの懇談会での~、若いもんの中から、気の利いたタンカーでもひっくり返らんかのう とか言い出す奴が出てきよってのう」

 

 思うような水揚げに預かれない若い漁師は、目先の保障にそれこそ目が行ったのでしょうが、「お前 すぐ漁師やめるか~ それとも船燃やされたいか?」と古手の漁師にすごまれて、それは息を潜めることでした。

古手の漁師は水島の原油タンク破裂の事故が骨身にしみております。来日も来る日もひしゃくで油の掻い出し、腰を痛める者、油の臭いで病院送りに成る者、保障はわずかで漁師を辞める者、長年油臭い魚を獲らされた古参漁師には冗談でも容認できる事ではなかったのです。

 

 「自治体や工場やらとの交渉は、あれからみやすうなってのお、あ~ん!と唸って睨んだら何でも言うとを聞いたもんじゃが、最近じゃあ人も変わって事が前に運びにくくなった」と典さんは言います。

 

 浪士様は思うのです 誰を睨んで「あ~ん!」と唸ろうかと。

 

 

 

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