備後「あこう浪士」  釣り場の周辺

  釣り場は釣り師の巻き起こす喜怒哀楽に満ち満ちて・・・  さて 事件は釣り場の周辺で起こってまいります!

男はつらいよ  泣きの涙で買うものもある

   

 

 秋とも成りますと、釣り師は大層忙しいもので御座いまして、魚の勢いなど出てまいるのですから、これをほっておく手は御座いません。

 

 釣り師などと申しますのはどれもこれも都合よくばかり考える事で、頭の中は早大漁、そう易々とは行かぬ現実には目もくれぬところで準備などにいそしむのですから、話は少々間の抜けたところと成って参ります。

気の早いのに成りますと、準備をしながら釣った魚をどうして食うかなどと考えるのもある事で、世の中そう思惑どうりには参らぬ事ぐらい分かりそうなものですが、能天気を絵に描いたようになって浮かれてまいるのです。

 

 

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 この時期は人の出入りがやたら忙しく成る物で御座いまして、情報収集に訪れるものや、世間話の合間にこちらの手の内を探ってあわよくば新手の技術など盗もうなどと企むのも有って、油断も隙も有ったものでは御座いません。

中には自分の情報や手の内は隠したところで、こちらの様子だけを探ろうなどと虫のいいのも出てくる始末、始末に終えぬとはこのことで御座います。

 

 

 訪れて参るのは車に乗って現れるのですが、良くしたもので車の速度や停車する具合が気持ちを表しております。

良い情報を早く届けようなどと思うところの衆は勢いがありますし、良からぬ企みやよこしまな噂話などとなりますと、これがねっとりと現れるもので御座います。

人間考えている事は無意識のうちに振る舞いに出るもので御座いまして、思わず我が身を振り返ると言う事に成って参ります。

 

  はて、本日はバイクの音がけたたましくするのですから、最近は釣りよりもバイクに乗るのに夢中に成っている高下君です。

 

高下君といえばスマホを海中に落として、思い切り負け惜しみを言うところで顛末はこのブログで晒されてまいりました。

 釣りから疎遠になってバイクに熱中しておりますと、それぞれの取り巻く連中と言いますのは違ってきますので、釣り仲間からいいますと可愛くないのです。

それは程よく晒されるのです。

 

akouroushix.hatenablog.jp

 

 

 この男やたらと趣味が多く、あれこれ手を出して参ります。

最初は気取ったところで盆栽など爺臭くいじっております。あれやこれや気の多いところで木の枝をいじっていたかと思うと、今度は何やら「お茶」で御座いまして、こちらも薀蓄をひとしきり伺うと言う事に成って参ります。

この頃で御座いましたか、海上の釣り筏で「野点」など洒落込んだ事も御座いました。

 

akouroushix.hatenablog.jp

 

 

趣味に入れ込んでいる本人は面白いところでしょうが、そちら向きに興味を持たぬものにとってありがたい薀蓄などと言いますのはほとんど拷問に近いものが御座います。

大概には勝手にやってほしいところですが、一応は聞く振り等いたしませんと傷つく恐れがありますので、付かず離れず時々しか目をあわさぬところで聞く振りをいたします。

 

  その内何が何処でどうなったか、着物に凝りあげて気取って、その上いきがると言う事に成って参ります。

 一度着込んだ姿を見たことが有るのですが、これがどうもいただけません。首元を少しばかりでもはだけたらゆったりの着こなしと言う事になるのですが、きつく前を合わせるのですから、窮屈で板についておりません。

これでは上等な着こなしとはとても言えますまい。

 

 様々変遷を眺めるところでやはり他人様の趣味などと言いますのは、何処の何がどう面白いのか一向に分からぬものでして、納得して悦にいるのは当人だけ、端からは一向に窺い知れぬ世界である事です。

 

 はて高下君、久方ぶりの釣行を企てるところで様子を探りにきたところです。

ひとしきりのやり取りと世間話の切がついたところで、さて明日の天気の加減をスマホで確認して参ります。

 

「おう!新しいスマホじゃな!落としたやつ海に潜って取り戻したかい」

 

 「それが聞いてくれます。保険で新しいのがもらえると思ったら、古いスマホと交換でないと駄目らしいので定価で買いました」

 「それが聞いてくれます。そのスマホをバイクに付けてカーナビに使っとったんじゃが、高速のトンネルの中で落ちて引き返すわけに行かず、次のインターで降りて引き返したんですがね、もう一回トンネルの中を探しても欠片も無いんですわ。」

  「結局又古いスマホが無いんで定価で買う羽目になって・・・」

   「そりゃあねえ今度はバイクに付けずにポケットに入れて安心しとったんですわ」

  「そしたらねえ・・豪雨の時合羽が無かったんで・・水に濡れて、へえでも今度は古いのが有ったんで保険が聞いて一万六千円で済んだんじゃがね・・」

 

それにしても浮かぬ顔の高下君は、わずかばかりの間に恐ろしく高くついたスマホをいじるのだが、便利さに飼い慣らされた中毒患者は後戻りできぬばかりに、泣きの涙で買い続ける羽目になったことだ。 

まあ、ものを買うににも後ろ髪を引かれながら買わねばならない買い物もある。

 

「それがね、聞いてくれます。もう金が無いんで安いのでと思ったんです。安くていいのが有って、オバマが作ったスマホじゃ思うとったんじゃが、いつの間にか会社を習近平が買収しとって・・・・中国製じゃった・・」

 

「・・・・・」

 

 


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