備後「あこう浪士」  釣り場の周辺

  釣り場は釣り師の巻き起こす喜怒哀楽に満ち満ちて・・・  さて 事件は釣り場の周辺で起こってまいります!

釣り師は海中に好敵手、上空に敵、筏の上は対戦相手

 

 

釣り場と申しますものは真に油断なら無い場所で御座います。

 

 

「糸の先に餌、その反対側にあほな顔」と書いた人がありまして、阿保ですから油断をしてまいりますが、そこに災難など降りかかりますと悲惨を超えて、救いようのない修羅場と相成ってまいります。

 

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        福山自動車時計博物館マッカーサー吉田茂のロウ人形 すわ・・開戦か・・

 

 

 「放送席・放送席 こちらは日頃大口をたたいて、社会からばい菌のように嫌われている あこう浪士様の釣り現場です。浪士様の釣り実況を今日は現場から生中継でお届けします」

 

 「暑い中ご苦労様ですどうですか現場の状況は?」

 

 「はい暑いです、大変に暑いです。暑さは上からと水面からの反射で挟み撃ちの状態です。火あぶりの刑のほうがまだましかと思われます。とにかくサハラ砂漠で釣りをするかのような状態です」

 

 「そうですか大変でしょうががんばって伝えて下さい。ところでどうですか?釣果のほうは?」

 

「いえまだ何も釣れていません、時折餌獲りのあたりは有るんですが、あとは竿先がピクリともしません。くそ~くそ~の声がたまに聞こえるだけです」

 

「成程まだ大きな変化はないわけですね? あそうそう、浪士様は釣れないとき凶暴になって噛み付く恐れがあるので気をつけて実況のほうお願いします」

 

「はい分かりました、それにしても暑さがだんだんに増してきて益々過酷に成ってきました。どうやら浪士様も暑いのでしょうペットボトルのデカボトルを取り出して飲むようです。  ああ又釣り始めました。  おや?  あ?  え? 放送席放送席 あ あ 大変です、変化がありましたよ。 日陰に置いた荷物のBOXのふたが開いていて、大変ですカラスが中の 税込み520円の幕の内弁当をつついています。」

 「浪士様今気が付きました、たった今です。うろたえてますねえ、想定していなかった事態です。 タモを持って立ち上がりました、カラスを追い払うようです。」

 「あ・あ・あ~あ 足元のペットボトルにつまずきました。あれ、ボトルは海に落ちたぞ! 」

 「さて如何するんでしょうか、弁当が先か水分が先か、人生の大きな岐路に立たされました、潮の流れは緩やかで・・どうやら弁当を優先するようです。大きな声で怒鳴っていますがカラスは知らぬ顔ですねえ」

 

 

「人の不幸は蜜の味とばかりに他の釣り人も釣りを止めて、見ていますね。完全に中断です。嬉しそうです。嬉しそうにお互い目を交わしながら固唾を呑んで見ています。傍若無人に振舞った浪士様の日頃が反映しています。 浪士様は日頃の威勢は何処えやら、浅ましい惨めな姿です。 おっとカラスに近づいたぞ! あっと!」

 

「飛んだ・・・飛んだ!」

 

「カラスが弁当ビニール袋を加えて飛んだ・・・が・・弁当が重かったか離しましたねえ、海に落ちた弁当、これは距離が出ているが、タモでは無理か・・やっぱり無理ですねえ」

 

「あら、浪士様は向きを変えたぞ、水分の確保に向かうようですが・・こちらも距離が出ているぞ・・距離がボトルが・・あっと・届かない!」

「放送席放送席 大変な事態になりました。日頃えらそうな浪士様が日干しになっています。他の釣り師が目を逸らし始めました」

「空と海の間には無情の空気が支配しています」

 

「まるでヒッチコックの「鳥」状態です浪士様は不幸の世界選手権に勝利したような顔をしています」

「それでは勝利者インタビューを・・・」

 

「ぎゃ~~・・・・・」

 

「如何したんですか何かありました? 現場・・現場・・」

 

 大変な目にあった浪士様ですが、そこはそれ最後に念押しはきっちりなさいます。

 

 

         ~ 言うたら いけんで!~