おや! 道端に何か落ちている。
「ありゃあなんだ?」
今朝のことですな。車を運転していると道端に結構大きいものが落ちております。
朝はまだ薄暗く、近づいてみるとなんと薄汚い爺さんが落ちているではありませんか。
福山時計自動車博物館の駐車場に「親亀の背に乗った子亀のような・・・」
これはなにぞ・・・?
妙齢のご婦人ならまだしも、こんなものを拾っても、厄介ごとを抱え込むだけで、腹の足しにも成りませんが、行きがかり上、放っておくわけにも参りません。しょうがない、はずれの日はこういうものです。
車を近づけてみると何やら手足をばたばたとうごめかしております。亀を裏返しにして起き上がろうとする姿そっくり。何とか手助けせねばと声をかけてまいります。
「おい、どうした? 大丈夫か?」
「・・・ぁ・・い・・う・・ こけた・・」
どうやら、つまずいて転んで起き上がろうとしているらしい。からだが思いどうり動かず難渋しているようで
「おい、手を貸そうか?」と言いますと
「な~に・・いつも起きれるんじゃ~・・うう・・」とか言っております。
それならと立ち去ろうかとも思ったのですがしばらく様子を見ることに。
爺さんは相変わらず「亀」状態。「いつも・・たち・・うう・」とか言ってもがいています。
「起き上がれんじゃろう、手ぇ貸そうか?」と言いますと
「なあに~他人の手なんざあ・・起きれるんじゃ・・うう・・」とか、まったく可愛くない事をほざきます。しかしどうにも成らぬ事を悟ったのか、「一寸手ぇ貸して・・」とか言い出します。 まったく爺さん早く言え。よろめく爺さん思いのほか重い。おもいきり体重をゆだねてまいりますから、朝から一仕事で起こしてまいります。
「起きれるんじゃ・・一人でな・・」 おお分かった、それで礼の一つもないんかい・・ええ・・。最後まで可愛くないじいさんは、しきりに自分で起き上がれる事を説明します。
「おい爺さん、やせ我慢の自分の都合ばっかりもいいが、ちったあ可愛いげのある爺に成れ・・・人から嫌われるぞ」と言い放って、もう少し気の利いた追い討ちをとも思ったのですが、あのようには成りたくないが、ああなるかも知れぬ事ですのでそそくさと立ち去った事です。
もちろん後など、誰が振り返ってやるものですか。後は自分ひとりで力強く生きろ。
釣り師でも居りますな、一概で自分の都合ばっかりのお人が。大概は可愛くなくて 孤立するものです。
この間もそんな一人が「針を忘れた、一本くれんかね」と言いますので、「わしのはその辺のぼろと違って高いで、一本1万円、持ち合わせが無かったらつけといてやるわ」と言ってやりました。
そんな釣り師に魚が釣れるか?ですって、だれも何も教えませんし釣れないポイントに入ってもだれも声をかけません。
それより何より、自分勝手な釣り方ですので、魚のほうが嫌います。