いぶし銀の釣り師に成るため、「柿渋」を作って菅笠に塗ります! その2 傘に貼る紙に端渓の硯で摺った墨で文字入れです
ああいぶし銀いぶし銀。
柿渋は順調に熟成中、いい具合に泡も立っております。
今回は菅笠に反古を貼ります。手習いの習字の紙など貼って参ります。
昔はふすまの下張りなどに使われたものです。なにやら「四畳半襖の下張り」とか言うのも有りましたな。
さてここに取り出したる物体は、果林の台座に座った何やら石の塊だ!
蓋をはぐってみますると、なんとこれが端渓の硯だ。洋の東西を問わずあの有名な端渓の硯が現れ出でます。
40x43センチ 厚みは5センチばっかり。でかく重たいものです。古端渓ではありません。値は393万円と有ります。
貧乏浪士様とはいえ、これくらいの道具は・・持っている筈も無く、実はこの硯さる大きな家具屋の社長、バブルでしっかり儲けた金を硯につぎ込んでまいります。中国まで買出しに参りまして、億の金を硯につぎ込んでまいります。自宅には端渓の硯のために一室をしつらえまして、他人に見せびらかし自慢してまいります。 まいります趣味が高じるとこうなります。
やがてバブルが弾けて、この重い硯を持ちまして件の社長が訪れます。
何でも顔の広いところでこれを処分してはくれまいかと言う事でした。
浪士様に預けたところで周りは薄汚れた釣り師ばかり、とてもこんなガラクタには金は使いません。釣りには何の役にも立たないからです。
社長はあまりに重たいので持ち帰りもせず、もう7年ばかり預かっていると言う次第。そのうち家具屋さん倒産の憂き目に、社長も何も言ってきませんから、これはもう浪士様のものです。
浪士様の菅笠に手習いの反古を貼ります。手習いの紙に文字を書かねば成りません。
かまう事はありません、端渓の硯が一寸減るぐらいのことでだれも怪我など負いませんし、道具などと言うのは使ってそ初めて価値が出るもので御座います。
さあ今日も元気に端渓の硯で墨を摺り手習いいたしましょう。
筆ですか? 100円ショップで買ってきました。
出来た出来た!
やはり書は端渓の硯の墨に限ります!
おやいけません、長くなりました次回にこの反古を菅笠に貼ってまいります。そして柿渋を塗る事となるのです。