「なんの・・これ・しき・・」
「なんのこれ・・し・・き・・むむ・・・・」と思ってはみるものの・・・。
それは50センチばっかりの真鯛が針がかりしたときのことです、大方これは真鯛のそこそこサイズだろうと見当をつけたところで、さていつもの手はずどうり取り込むか、と思ってはみるものの・・・。
昨年の9月のことでしたか、1年と半年ばかり中断していた釣りに出かけた時のことでございますよ。
件の真鯛ごとき、日ごろでしたら鼻歌交じりのその上鼻くそほじったところで、天皇賞の予想など二つ三つこなしたところで手もなく釣り上げたところなんですがね。
何しろ釣り師が一年半も釣りから遠ざかるんですから、人間落ち目にはくれぐれもなるもんじゃあありません。
四苦八苦した挙句、ようやく釣りあげたころには顎は上がってもうろうとなる体たらく。魚なんぞは、この釣り師、相当くたびれたやつだと見切っているんですから容赦なく引っ張りまわしてまいります。
落ち目の釣り師と、思い切り釣り師を見くびった魚ですからこれは勝負のつくまで、時間がかかります。
しばらくして勝負がつきますと釣り場には汗びっしょりの真鯛と、息も絶え絶えの釣り師のミイラが横たわっております。
釣りとブログを中断したのは、ある時から声の調子が良くない。 声の出が悪いんですな。
医者に診てもらいますと、別の医者の所に行けと言われます。
そこで言われたのが「肺に癌ができてそれが血管を押す、押された血管が声帯を押して声が出にくいんですな、来週入院で抗がん剤と放射線治療いいかね?」
どうもこうもあったもんじゃあありません 、釣り場ではあれほど傍若無人にふるまった釣り師も陸に上がった河童ですです。横たわったままなすがままですからこれほど情けないこともありません。
3か月入院ののち、今は月一回の免疫療法の点滴治療を続けております。
昨年の9月頃ですかね、気力と体力が釣りに向かわせたのですが、前述のとおりの体たらく、今じゃあ多少はましになったところですが、実に恐ろしいのは抗がん剤。
釣り師から釣りの意欲を奪い去りますし、少しばかりの手慰みのブログを書く意欲まできれいに奪い去るんですから、一体どいつの差し金なんでしょうかね。
今は仕事に復帰して釣りもこなし始めましたし、ぼちぼちブログにでも取り掛かろうかともくろんだんですがね・・・・・