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備後「あこう浪士」  釣り場の周辺

  釣り場は釣り師の巻き起こす喜怒哀楽に満ち満ちて・・・  さて 事件は釣り場の周辺で起こってまいります!

大いなる勘違い  遠征すれば釣れると思い込む釣り師

 

 釣り師と申しますのは妙な生き物で御座いまして、この妙なのが何処にでも生息しております。

 

 この生き物、釣り場など決まっているようで、あちこちいたるところに移動出没いたしますから、節操などと言いますものは、ほとんど御座いません。

 

 

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別に戦場から持ち帰ったものではありません。福山自動車博物館ではこれを再生して道路を走らせるようにしますから驚きます。

 

 

 

 私などは遠出など、体にこたえるのはもう御免でありまして、決まりきった釣り座に十年ひと日のごとく、座り込んでおります。

 

 釣り師の妙さ加減、釣りをするために遠征などいたしますが、これは別に妙でも何でもありません。妙といいますのは、遠征すれば釣れると思い込む事です。情報などに翻弄されてしっかり思い込むのです。

 

 分かりにくいので具体的に説明しますと、岡山県の人が広島県に行くと釣れると思い込むのです。広島県の人間もやはりそうで、隣まで遠出すると釣れるという幻想に取り付かれます。たぶんに日頃の釣り場から変わった釣り場に赴きますと、気分のほうも変わって新鮮ですから、余計期待とともに、雰囲気が盛り上がるんだろうと思います。

 

 広島と岡山では海は繋がっておりますし、さほどの事は無いのですがどうしてもそういう気分になる。 これが四国だのと言いますと、状況が変わってまいります。魚が多いし大きい。遠征はこれぐらいのところに行って始めて、「遠征」の格好が付いてまいります。

 

 巷間言われる事に、何処に行っても岡山と広島ナンバーの車がいると。それだけ釣れない地域であると言う事でしょうか。釣れれば別に遠征などしなくてもよいことですからね。

 

 ばかたれ「あこう浪士」三人組、これが四国の宇和島に遠征いたします。この御三方、腕のほうは達者なもんで上等の上、辺りの腕前で御座います。段取りも怠りなく勇んで出かけてまいります。

 

 「カセ」釣りと言いまして、これは小さな小船を借り受けます。それを養殖筏や碇を適当なところに打って釣るスタイルです。

 

 当日は船を掛けた所がよかったらしく、散々に釣りまくります。後先は関係ありません。亡者の釣り、取り付かれたように釣ります。日頃魚の薄い所で釣っておりますからなおさら、その上当人たちは腕が上がったと思い込むのですから、容赦は無いのです。

 

 大釣りが終わって、魚を絞めたあと はて 困った。

あまりに大漁なので持ち帰れない。釣りまくるのはいいが後のことを考えねばならない事で、程々の文字が抜けていたのです。

 

 困った三人組み、宇和島市内で買ってくれるところを探しますが、不慣れな土地で難渋してまいりますが、とっくに仕舞い込んでいる魚屋を見つけ戸を開けます。

 

 それは端から聞いても気の毒になるくらいの金額です。扉をこじ開けられた魚屋さんは、それは思いっきり足元を見たのでした。

 

「おい、おまえら無駄に大漁だったな。その上魚を売るなんざあ、ちょいとおかど違いじゃあないかい?」  「隠しても駄目、浪士様は水晶玉を覗いて全部おみとうしなんだ」

 

 この始末、三人は隠しておりましたが大漁のことが忘れられません、自慢話にちらほら出てまいりまして、こちらの耳に届くと言う次第。もちろん安く叩かれた事など言うものですか。

 

 釣り師たるものお金に変えてはいけません、それは職漁師の領分だ。