選挙と釣り師 あんな大人になっちゃあいけません
ぇ~世の中は選挙などと申しまして、気ぜわしい年末だと言うのににぎやかな事で御座います。これなど忙しく切羽詰っておりますのは「先生」と呼ばれる人だけでありまして、大概の人は切りのいい年末までにと、あくせく致しております。
浪士様は選挙の時になりますと大変感謝されてまいります。選挙カーなどに手を振りますと、大概「有難う御ざいま~す。手を振ってのご声援ありがとうございま~す」と大変感謝されますから、どの選挙カーにも元気いっぱい手を振ってまいります。
どの道こちらを向いてくれるのは投票日までと、世の中の道理はなっておりますので、どうか今回からは少しでもこちらの方など向いてほしいと、それは力いっぱいの手の振りようです。
釣り師のほうは、今年は早く一年間の大いなる反省をして、さて来年こそはと気持ちの切り替えに入っております。これに年末気ぜわしい処理事が待っていますし、正月用の魚を釣り上げる算段もあります。結構な忙しさで御座います。
忙しいと言いますと、以前は期日前投票と言うのが御座いませんでした。不在者投票とか言う、身分証だとかなにやらめんどくさい、その上怪しいものと疑って掛かられて犯人扱いで御座います。此れは当日投票のどさくさにまぎれて投票するに限ります。
ええ、釣り師とて選挙の一つや二つ行きますよ。釣り師はお互い、あまり生臭くなりたくありませんから、政治向きのことは話しませんし干渉も運動もあまり致しません。釣り場で利害の対立などまったく無用のものだからです。
それでも・・・
「美人に投票したい」
「名前をころころ変える奴は信用ならねえ」
「下半身のだらしねえ奴は駄目だ」
「こう、ぱっと魚を増やさんかいのう」
から・・・
「金呉れるやつはおらんのか?」
と言う程度の低い犯罪まがいの奴まで、様々でございまして、基本的に程度の低い話はしてまいります。
それでも律儀なもので、それぞれ思惑など抱えて投票に参ります。
当日の投票に行く人がほとんどですが、これが困った事に日曜日だ。釣り師の都合は仲間内が揃うのはどうしても日曜日と言う事になって、重なってまいります。
それは当日は尻が決まっておりますから、釣りの最後は落ち着かない事です。
投票所には大概が最後の最後駆け込むのが、恒例になっておりまして、いつもいつもそのざまですから、顔見知りの立会いの人など「ぁ、来ちゃった、来ちゃった!」と終了のベルぐらいに扱っております。
立会人の人に覚えが目出度いのは、いつも最後にさっきまで殺生をした奴が、色の黒い顔をして殺気立って入ってくるのですから、それはいやでも覚えざるを得ない事でした。
白昼堂々、ことも無げにうそを言う、言い訳が効かなくなったら名前を変える、とても大人の振る舞いでは御座いません。
子供にはしっかり教えてやらねばなりません「あんな大人になっちゃあいけません」