新 福山百景 その1
さて 「新福山百景」 ということで世間様に多く知られているところは他人さまで能力のある方に紹介いただくとして、釣り師から目に映る福山の日頃あまり日の当たらぬ情景をお知らせします。
さて早速に写真をご覧いただきたい。
自分にすれば日頃見ている風景で、これはと思うもの、いつも定点観測をしてたよりにしているもの、ある日「おっ・・!」と目に留まったところを切り取ったもの、どちら様にも僅かばかりの潤いになればと思うところですが・・さて写真だ・・
何の変哲もない民家ということで、なんだくそ面白くもない、などと浪士の野郎これで「潤え」など、ついに焼きが回ったと思われてもしょうがないところですが
ま もう一度写真をよ~く眺めていただきたい。
お分かりですかな、何かちょいとおかしいとは思われませんか?
そうです木の中に民家があるのです。大木の中に民家を作ったのか、民家があって木が大きくなったのか定かではありませんが、見事に大木に包まれた民家があるのです。
ある日これに違和感を覚えた時から悩みは深くなってまいります。まさか大木から民家ににじり寄って飲み込むことはないだろうし、わざわざ民家のほうから潜り込むことなど考えにくい、大木を切り分けて家を作る酔狂な人もあるまい。
大木にしたら、どてっ腹で夫婦げんかの茶碗が乱れ飛んだ日には、はなはだ迷惑だろうし、木に住む鳥、虫、動物だって夫婦げんかの一つや二つやらかすでしょう、やかましくって民家のほうでもたまったものではありません。
どうもこれは長い時間をかけて抜き差しならぬ関係になったに違いありません。お互い一寸邪魔になったなから始まって、お互い一寸うるさくなったが早いうちに手を打とう、お互いもう少し行くとどうにも手出しができにくくなるな早いうちに手を打とう、お互いどうにも成らんからなるようになれ・・・の成れの果てということでしょうか。
なんとも不可思議な住み分けが成り立っているのですが、当事者は果たしてどのような感慨で住んでいるものやら、こればかりはうかがい知れない。