いぶし銀の釣り師になるため 「柿渋」を作って菅笠に塗ります! その3
菅笠成るものこれは外国産の安手のものでして、とんがり具合が急勾配と成っております。 国産のものは勾配がゆるく、これは日差しの関係でそうなるのかとも思います。
さてこれに手習いの紙を貼るといたしましょう。まず傘にのりを塗ります。
紙を貼るのですが「一閑張り」とか称するものです。
次 のりを塗った下地の紙を貼ります。 重ねて結構。
この上に今度は文字の入った手習いの上を貼ります。
はみ出したところはカッターナイフで切り取ります。
少々の皺は乾けば貼りますから心配の無いところです。
さて後は乾いたら「柿渋」を塗ります。
文字を加えたかったら乾いた後に書き加えます。
柿渋は保存容器から布の上に移し、布越しで絞り上げます。
出来あがって日が浅い柿渋ですからまだ色が浅いのは、いたしかたありません。
裏面も塗ります。 が・・・
本来の色ではありませんので昨年作っておいたものを塗ってまいりましょう。
今回は6度の塗り重ねでようやく思ったとおりの色に。
この塗り重ねの作業は屋外でやります。なぜかと申しますとこの「柿渋」なんとも良いにおいがいたします。
どの様な臭いかと申しますと、銀バエが寄って来る様な臭いですのでこれはかなり閉口することです。
これで乾いたら完成です。
「粋な黒塀 見越しの松・・・」と言うのは木製の塀に柿渋を縫ったものの事です。
昔の神社仏閣、家具、日用品にまで塗っておりましたもので虫食いや防腐、強化などの効能が有ります。釣り関係では糸に塗ったり小道具、もちろん菅笠にも塗ってまいりました。
完成したのは良いが、菅笠はいぶし銀に成ったとはいえ、かぶる釣り師がこれが生半可。さて、はたして釣り場で雨風に耐えられますものか、釣り師共々辛抱する事です。
笠に合う釣り師にはこれから成るところだ。