仕事師の大塚君は鬼びっくり饅頭の鬼を作ったんだが
数々戯言を書き連ねたところで、はて あのことは書いたかどうか自分でも分らぬ事と成って参ります。
これはいかぬということで一念発起読み返すこととしたので御座いますが、これがいけません。
何しろ最初から読み進めようとしたのですが、恥ずかしき事の数々とてもじゃあございませんが読めるもんじゃあありません。
五つばっかり読み進めたところでお手上げでございます。
以降重複した事などありましても、どうかお見逃しの御慈悲を請うということになって参ります。
はて御題の仕事師、大塚君のことでございます。最近ではなにやら金曜日は仕事をせずに早く帰って消費に励めなどと、仕事師にとってはいかにも住みにくいこととなってまいりました。
働かず消費に励めなどと言いましても仕事をしないのですから実入りには成りません。消費に向かうにも種金がなくては空鉄砲、これはいかにも旨くありません。
「これはまた難しいですねえ!・・・おお!・・ねえ・・!」
と言うのは大塚くんなのですから事は難しくなる上に、より複雑になるのですから、関係者はよりによって「大塚くんかぁ・・」と顔をしかめるのです。
といいますのも彼は仕事のほかにこれと言って趣味もございません。
「おまえさん、あんたはねえ仕事のことばっかりで他に話題がない、一向に面白みがない、読みやすい人格といやあそうなんだが潤いや余裕、その上幅というもんがない、どうだい釣りの一つも覚えてひとまわりおおきな人格になっちゃあどうだい?」と水を向けるのですが
「そうですね、あちこちでそう言われるんですが、やっぱり釣りでも覚えて一回り大きな人間になりましょうかね。 ところで仕事の件ですが・・・」とまあこの調子なのです。
ここまではどこにでもよくある仕事好きなただの人なのですが、彼の場合これに輪をかけた仕事好きときているのですから、世間は少々辟易とするのです。
彼の仕事好きは一回り手の込んだところで、普通にこなしたのでは仕事をやった気がしない。
できることなら一ひねり、わざとでも難しくしなくてはやった気がしない。簡単なことでも難しくしてそれを乗り越える自分が、この上なくいとおしい。とまあこうなんですから、仕事なんぞ早いところ片づけてさあ釣にと思う世間にとっては迷惑この上ない存在なのです。
「一寸めずらしい仕事が完成しましてね・・・へへへ・・」
、 「というわけで(鬼びっくり饅頭、)の鬼を作りましてね、まあ見てやってください
・・うんちく・・ああだ・・こうだ・・」
「岡山の早島に店があって、その屋上に設置したんでさあ、まあ見てやってくださ
い」
*(岡山・鬼びっくり饅頭)で検索すると大塚さんの作った鬼が見れます。
うんちくの割には細身の優しそうな鬼が確かに屋根で日向ぼっこをしております。
釣でも覚えて人間の幅でも出てくると細身の鬼ももう少し太るんだろうと思うのだが、そこはあまり人を傷つけてはいけません・・。
仕事が趣味の人から仕事を獲ってはいけません。365日24時間仕事をしていれば機嫌がいい人から仕事を獲るなどと鬼でも致しません。
労働基準監督署は週40時間しか仕事をしてはいけませんと言います。最近やたら休日が増え仕事をしなくなった国に果たして未来があるのやら・・・・